電気料金の自由化、"お得"に潜むリスクも 多消費世帯が優遇の対象、手数料にも注意を
4月に迫った電力の小売り「全面自由化」。テレビコマーシャルや駅頭でのセールスも活発化しており、ビジネスパーソンや主婦の関心も高まっている。
2015年12月24日の東京ガスを皮切りに、今年1月7日には最大手の東京電力が料金プランを発表。12日にはソフトバンクが東電との提携プランの内容を明らかにした。
「これまでにない競争の時代に突入する。サービス提供エリアを全国に広げ、一挑戦者として邁進したい」
東電で電力小売り事業の旗振り役を務める小早川智明常務執行役カスタマーサービス・カンパニー・プレジデントは料金プランの発表で力を込めた。
ターゲットは電気使用量の多い世帯
だが、各社が考え抜いて作り上げた料金プランは、わかりやすいとはいえない。電気の使用量によって“お得感”には大きな差があるうえ、携帯電話やケーブルテレビとのセットでなければ契約できない会社もあるし、割引自体がない場合もある。また、お得感と引き換えに、「2年契約」の縛りをするプランや、ポイント付与が期間限定のプランも存在する。
本誌は各社の報道発表資料や約款などをベースに、料金プランを詳細に分析。そこから見えてきた自由化の姿とは、意外なものだった。
各社の料金プランを基に、“お得感”(実質的な年間電気料金)を本誌が試算し、表にまとめてみた。月々の電気使用量の変動がないと仮定して、1カ月間の使用量を12倍したものを年間の電気使用量とし、そこに料金単価を掛け合わせたうえで、各種のポイント付与分や割引分などを電気料金の実質的な値引きと見なし、差し引いた。
ここでまずいえることは、電気の使用量が多い家庭ほど、料金値下げのメリットが大きいという点だ。
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