アイアンの音を酒のつまみにしたいくらいだ 「チーム松山」しか語れない松山英樹論<前編>

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現地マネージャー兼通訳のボブ・ターナー氏と話す松山英樹(写真:筆者撮影)
米ツアーで戦うプロゴルファー、松山英樹の周囲には、彼をさまざまな面から支える「チーム松山」がいる。彼らから見た松山は、どんな選手なのか。縁の下の力持ちたちに、あえてスポットライトを当て、いつもとは異なるアングルから松山英樹をあぶり出してみた。今回は2回シリーズの前編。ギア担当の藤本哲朗氏と現地マネージャー兼通訳のボブ・ターナー氏の目線から松山英樹を語ってもらった。

 

松山の用具を担当しているのは、ダンロップスポーツの藤本哲朗氏だ。松山が米ツアー本格参戦を開始したときからの担当ゆえ、今年が3年目になる。だが、藤本氏が初めて松山と出会ったのは、松山がアジア・アマチュア選手権(現アジア・パシフィック・アマチュア選手権)に初出場した2010年秋にさかのぼる。

マスターズでローアマ、プロ転向2戦目で初優勝

「あのとき松山くんは、まだ東北福祉大学の学生でした。同じ大学の先輩の藤本佳則と一緒に大会会場に来ていて、空いている時間に2人でキャッチボールをして無邪気に遊んでいた姿を今でもよく覚えています。

当時の私は松山英樹という名前だけは聞いていましたけど、それまで会ったことはありませんでした。初めて見た松山くんは体が今よりずっと細かった。細身なのにスイングはダイナミックだったけど、まだ荒削りな感じがしたことが印象的でした」

そのアジア・アマで優勝し、翌年のマスターズに出てローアマに輝いた松山は、その年のアジア・アマも制して翌春に再びマスターズに出場。しかし、アジア・アマ3連覇はならず、マスターズに出場できなかった2013年の春にプロ転向し、わずか2戦目のつるやオープンで早々に初優勝を遂げた。

「つるやオープンで松山プロと優勝争いをしていたのは韓国系アメリカ人のデビッド・オーでした。デビッドは私が契約を取ってきたスタッフプレーヤー(当時)だったので、個人的な思い入れがあり、あのときの私はひそかにデビッドを応援していたのですが、結果的に松山プロが優勝しました。その後、担当になってから、実はあのときデビッドを応援していたんだということを正直に松山プロに告白したら、それ以来、ずっと根に持たれています(笑)」

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