「リンガー」「ハチバン」統合交渉決裂の真相

ちゃんぽんとラーメン、どこで溝が生じたか

リンガーハットは直営、ハチバンはFCと、経営スタイルに大きな差がある(写真はリンガーハット新橋店。撮影:今井康一)

長崎ちゃんぽん店を全国にチェーン展開するリンガーハットと、北陸やタイを中心にラーメン店を経営するハチバンとの経営統合交渉が時間切れで決裂した。2年前に相思相愛で“婚約”した両社だったが、当初思い描いていた経営シナジーが得られにくいと判断。提携関係を解消し、共同持ち株会社構想を白紙撤回した。今後は両社それぞれの成長戦略練り直しが急務となる。

似通った境遇が両社を結びつけた

まずは時計の針を2年前に巻き戻そう――。

2014年2月14日。東京・帝国ホテルで両社の資本業務提携が発表された。記者会見の席上、リンガーハット(以下、リンガー)の米濱和英・社長兼会長(当時、現会長)は、「結婚を前提に婚約して結納を交わした。どちらからの求愛ということではなく、相思相愛だ」とあいさつ。続いてハチバンの後藤克治・専務(当時、現社長)も、「婚約した以上、デートを重ねつつ、お互いにできるところから助け合っていきたい」と、熱愛ぶりを披露した。

そもそも両社は1960年代に、創業家の長男(リンガー=米濱豪氏、ハチバン=後藤長司氏)が、それぞれ立ち上げた。2代目社長にはお互い創業家の四男(リンガー=米濱和英氏、ハチバン=後藤四郎氏)が就任。歴代トップが長男から四男に引き継がれるという同じ境遇が親近感を強め、2012年に開いた両社長の食事会で提携話が話題に上がった。

これを機に、相互の工場見学や販売資材の調達などで一定の協力関係が2013年から始まり、翌2014年の提携発表につながった。この提携でリンガーは、ハチバンのタイにおける店舗展開ノウハウや、未出店地域である北陸地方への店舗展開を模索できると期待。ハチバンはリンガーの全国展開網を生かした国内出店地域の拡大と、フードコートなど多様な店舗展開ノウハウを吸収できるとにらんだ。

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