鴻海シャープ出資、約1000億円減額で調整 企業価値の低下を反映

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 3月22日、シャープへの出資に向け調整を進めている台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が、出資額の引き下げを検討していることが分かった。写真は都内で2月撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 22日 ロイター] - シャープ<6753.T>への出資に向け調整を進めている台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業<2317.TW>が、出資額の引き下げを検討していることが22日、分かった。複数の関係筋が明らかにした。当初の4890億円から1000億円程度減らす方向で調整している。

関係筋によると、シャープの2016年3月期通期業績が大幅に下振れる見通しになっていることに加え、シャープがホンハイに提出した3000億円超の偶発債務リストを踏まえると、シャープの企業価値は当初想定よりも大幅に低下していると判断した。シャープの2016年度3月期通期業績は、営業利益が想定の100億円の黒字から数百億円規模の赤字に大幅に下振れする見通しとなっている。台湾当局やホンハイの一部にはシャープへの巨額出資を懸念する声もあり、ホンハイはより保守的な出資条件に変更せざるをえなくなっているという。

このため、ホンハイは、シャープの第三者割当増資の引き受け価格をこれまでの1株118円から引き下げる方向で調整している。引き受け株数は変えず、出資比率は計画通り66%を維持する。

さらに、主力銀行の三菱東京UFJとみずほ銀行が保有している総額2000億円の優先株のうち、1000億円をホンハイが買い取る計画だったが、買い入れ規模や時期なども見直す方向で交渉を進めている。主力銀行は、3月末に期限を迎える5100億円の協調融資の延長に合わせて金利を引き下げるほか、新たな融資枠の設定も検討している。

ホンハイとシャープは3月中の合意を目指しており、出資交渉は大詰めを迎えている。

 

 

 

(布施太郎※)

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