スマホ「実質ゼロ円」、1カ月でまさかの復活

消えた禁じ手が3月に復活したカラクリ

都内の携帯ショップ。看板に他社からのりかえで実質0円」の文字が(撮影:梅谷秀司)

携帯端末の代金分を月々の通信料から割り引く「実質ゼロ円」。2月にいったん姿を消した販売手法がわずか1カ月で復活している。

3月中旬に都心でざっと調べただけでも、NTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクの複数の携帯ショップで、店外から見える場所に「実質ゼロ円」のポスターが張られていた。8万~10万円する米アップルの最新機種「アイフォーン6s」が、他社からの乗り換えでタダになる旨を堂々と明記していたのだ。

家電量販店でも、実質ゼロ円は復活している。都心のある量販店の中では、3月に入るとドコモとソフトバンクの店舗で、実質ゼロ円と書いた小さな札をカウンターに置き始めた。

同様の札がないauの店員に、「よそのほうが安いですね」と声をかけると、「(割引額が端末代金を上回る)『実質ゼロ円以下』とお伝えしている」と明かす。「通常は名刺の裏に値段を書いて(客に)渡すが、今はしていない」と証拠を残さない工夫まで教えてくれた。

安倍首相の指示で始まった議論

2015年10月、総務省では安倍晋三首相の指示を発端に有識者会議が発足し、携帯料金の値下げをテーマに集中討議が行われてきた。そこで問題視されたのは各社の料金プランではなく、実質ゼロ円や高額なキャッシュバックなど、携帯会社を乗り換え続けるユーザーばかりが優遇される販売の実態だった。

同会議の取りまとめを受け、高市早苗総務相は12月、行き過ぎた端末割引を是正するガイドラインの策定を決め、携帯3社の社長に要請書を手渡している。

これに対し、世論に敏感な家電量販店は、実質ゼロ円を早々に取りやめた。都心の別の量販店では、「実質ゼロ円は不公平だ」との批判が高まると「実質1円」に変更。さらに、5万円前後のポイントを与える実質ゼロ円以下の販売についても、携帯各社の首脳が「2月から実質ゼロ円の販売をやめる」と発言するや、1月末までにポイントの付与をやめている。

各量販店の売り場は「実質ゼロ円やポイント贈呈は1月末まで」と来店客に呼びかけた。その結果、1月は販売台数を大きく伸ばしたが、2月は急減、3月も回復する兆しは見られない。

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