人口流動の地方再生学 松谷明彦編著

人口流動の地方再生学 松谷明彦編著

地方再生議論が盛んだ。曰(いわ)く、道州制構想、コンパクトシティー、定住自立圏構想、地方広域経済圏……。そこには、消滅する集落、破綻に瀕する財政など、人口減少高齢化の下で地方の衰退が急激な現実がある。

しかし、どの構想もなぜかしっくりいかない。それはまず中央、中心ありきで、そのうえで地方を考えるからではないか。地方と大都市が併存し、その間を人々が活発に行き来する社会こそ、本当の処方箋になると、本書は説く。

言葉を換えれば、多様に生きる人々が「居場所」を求めて活発に往来する「人口流動社会」でこそ、地方は再生できるというのだ。その流動化をどう促すか。都市と地方はそれぞれの道を歩む。その際、地方において大切なのは集落であり、農業によって定住条件を向上させ得るという。

シカゴやフランスではなく、国内での先進事例・萌芽を豊富に盛り込んであれば、説得力をより増すことができたのではないか。

日本経済新聞出版社/1890円

Amazonで見る
楽天で見る

関連記事
Topic Board トピックボード
人気連載
Trend Library トレンドライブラリー
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

Access Ranking
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去48時間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチ
JR九州“脱鉄道”の成算

今年、上場を果たしたJR九州。豪華寝台列車「ななつ星in九州」は話題になった。しかし、人口減少などもあって鉄道事業の先行きは暗い。成長は非鉄道事業の成否に懸かっている。