NEC、「モバイル解散」の意外なプラス効果 税金支払いの面で大きなメリット

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遠藤社長(写真左)は今期限りで社長を退任、新野新社長(右)に譲ることになる(撮影:尾形文繁)

やはり、というべきか。2月29日、通信インフラ設備で国内首位のNECが今2016年3月期の業績予想を下方修正した。

売上高を期初計画の3兆1000億円から2兆9000億円に、営業利益は期初計画の1350億円から1000億円にそれぞれ減額した。前2015年3月期が売上高2兆9355億円、営業利益1280億円だったため、増収増益の計画から一転、減収減益になる。

「やはり」というのは、第3四半期(4~12月期)までの進捗率が低かったからだ。進捗率は売上高で67%、営業利益でわずか18%だった。過去2期の売上高の進捗率は第3四半期までで68%台なので、売上高はまだ計画達成の可能性があった。

同業他社の声「どう考えても無理」

一方、営業利益は前年同期が27%、前々年同期が22%だったことを考えると進捗率の低さは否めない。それにもかかわらず、1月28日の決算説明会時点では「今期は例年よりも第4四半期への偏重が高まる。3月末までの頑張り次第」(川島勇CFO)として、期初計画を変えていなかった。

同業他社からは「通信業界の投資意欲の弱さを考えるとNECの通期計画達成はどう考えても無理」との声が上がっていた。実際、富士通は翌29日、第3四半期の発表と同時に、売上高予想を800億円、営業利益予想を200億円それぞれ下方修正した。売上高の修正幅が最も大きかったのは、通信関連のシステムプラットフォームの500億円だった。

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