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日本銀行がついに捨て身の賭けに出た。かねて掲げていた2%の物価上昇率目標の早期達成に暗雲が漂う中で、1月29日にマイナス金利導入へと踏み切ったのだ。
2014年秋以降の黒田東彦・日銀総裁の量的緩和の動きは、市場から「黒田バズーカ」ともてはやされた。しかしマイナス金利など最近の政策は、「バズーカ」でなく「紙鉄砲」とすら言いたくなる対処法だ。
マイナス金利政策は、金融機関が日銀の当座預金口座に預ける一部の資金の金利をマイナス0・1%として、その分の「手数料」を取る政策だ。金融機関は 「手数料」負担を避けるために、企業や個人への貸し出しを促され、企業側にも銀行からの借り入れを設備投資に回す効果が期待される。
黒田総裁はさらなる利下げも示唆しているが、狙いどおりに進むとは考えにくい。
それでも借り手は増えず
2013年3月に黒田氏が総裁に就任して以来、日銀は219兆円を新たに市中に供給したが、この大半は日本国債の購入によるものだった。この額は驚くべきことに国内総生産(GDP)の40%に匹敵する。問題は、この資金が実質経済にほとんど寄与していない点だ。新規供給された資金の91%に当たる199兆円は、銀行支払準備金の形ですぐに日銀の元に戻ってきた。
貸し出しが伸びない要因は、企業や個人にとって資金を借りる動機が乏しいからだ。自社商品の売れ行きに不安を抱える企業は、生産能力を拡大しようとはしない。実際、多くの企業はここ数年、大胆な投資に踏み切っていない。
その結果、企業のキャッシュフローと投資との差額は、GDPの6%という記録的な数値を示している。企業は投資を決断しても、銀行に足を運ぶ必要はなく、金庫室に行けばいいだけだ。
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