私達は本当に銀行にお金を「預けて」いるのか 「マイナス金利」実施で考える"金利"の意味

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銀行におカネを「預ける」という言葉には、大きな違和感がつきまといます(写真 :dorry / PIXTA)
知らないと損する、経済とおかねの話。大手証券会社で、長年、個人の資産運用相談を担当し、接したお客様は3万人以上。さらに「経済や投資の基本テキスト」などのコンテンツを制作し、40万人以上に「経済とおかね」に関する授業を開催してきた大江英樹氏。
新入社員から、ファイナンシャルプランナーといったおかねの専門家に至るまで「これ以上ないくらい、わかりやすい」と評判の内容が、このたび『知らないと損する 経済とおかねの超基本1年生』として書籍化されました。
本連載では、書籍では紹介しきれなかった、人生のここ一番の選択から、日々の買い物まで、あなたが人生で損をしないために知っておくべき「経済とおかね」の超基本の一部をお伝えします。

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とうとう、マイナス金利実施へ

わかりやすいにもホドがある!? あなたが人生で損をしないための「経済とおかね」の話。本書の刊行を記念してセミナーを開催いたします。詳しくはこちら

日銀が1月29日の金融政策決定会合において、日本の金融政策としては初めての「マイナス金利」の導入を決定しました。これは一般の銀行が日銀の当座預金勘定におカネを預けておくと、従来、法定準備金を超える部分について0.1%の金利を付けていたのを見直し、超過分の一定割合についてはマイナス0.1%の金利を適用するということです。

マイナス金利というのですから、おカネを預けても金利がもらえるのではなくて、逆に払わなければならないということです。

最初にこのニュースを聞いた時に、「え! 銀行におカネを預けておくとおカネを取られるの?」と思った人も多かったと思いますが、今回の日銀の政策はあくまでも銀行が日銀に今後預けるおカネに対して適用する制度ですから、直ちにわれわれの銀行預金にマイナス金利が課せられるということではありません。

ただ、その後の報道を見ていると一部の銀行では、法人口座などの大口預金に対してマイナス金利を実施する可能性が報じられていることもありますので、今後は一般の銀行に預けても金利がマイナスになるということも、あり得ない話ではないでしょう。

次ページ預金=おカネを預ける意味だが……
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