株価反転には「米ドル下げ止まり」が必要だ

飽きられ始めている黒田日銀総裁の「芸風」

5日のNY市場は、雇用統計の非農業部門雇用者数が予想を下回った結果を受けて下落したが、失業率は改善していた(写真:AP/アフロ)

1月29日(金)に、日銀はマイナス金利の導入を公表した。当日は国内株価が上昇し円安が進んだが、先週末2月5日(金)の日経平均株価は1万6819円。マイナス金利導入公表前日の水準である1万7041円を割り込んだ。ドル円も反落し、一時の円安・米ドル高を打ち消して余りある円高になっている。

早くもマイナス金利の効き目に疑念

マイナス金利の実施は2月16日(火)からで、始まってもいないのに効果がないと決めつけるのは早計との声も聞くが、市場はその効き目を大いに疑っているように思われる。

これまでの経済環境を点検しても、原油価格下落という外部要因はあるが、2年でインフレ率2%という目標は、たびたび後ズレしてきた。消費増税の悪影響が大きかったとはいえ景気回復はもたついており、円安が押し上げるはずだった輸出は、数量ベースで前年比マイナスを記録することが多い。日銀が銀行から国債を大いに買い取っても、緩和の効果が実際にはあまり出ていない、という声が強まり始めていた。

緩和策の先行きについても、国債を現状のペースで買い進め続けることがいずれ難しくなるとの観測が広がり、日銀にはもう次の矢がない、丸裸だ、との疑念が広がりつつあった。そうした「丸裸説」に対して、総裁は「安心してください、まだ緩和策はあります」と、マイナス金利策を打ち出したと言える。

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