アップバンク、見えない「横領疑惑」の真相 意気消沈の宮下社長、饒舌だった廣瀬CFO
「社長として株主に対してどう思っているのか」――。報道陣からそう問われると、アップバンクの宮下泰明社長は消え入りそうな声で「申し訳なく思っている」と語った。
スマホの関連商品の販売やゲーム攻略サイトなどを運営するアップバンクは、2月17日に2015年12月期決算を発表した。売上高は39.6億円(前期比31.7%増)、営業利益9.1億円(同41.7%)と好調だった。
ただ、当日の決算会見で、宮下社長と廣瀬光伸CFOは硬い表情のままだった。報道陣からの質問は好調だった業績よりも、相次いだ不祥事に集中した。
上場直後から不祥事が相次いだ
アップバンクは昨年10月15日に東証マザーズに上場したが、その当日に「広告など業務データが外部流出した」と発表。続いて12月10日には「元役員による横領の疑いがある」ことも明らかにした。その後、弁護士などの外部専門家による調査委員会を設立し、原因究明を行っていた。
その結果が1月28日に開示された社内調査委員会の報告書となる。話題を集めたのは、元役員が行った横領疑惑の総額1.4億円のうち、3000万円~3500万円の使い道が「恐喝」とされていたことだった。
その後、2月6日には上場前からアップバンクのビジネスモデルを批判してきた著名ブロガーのやまもといちろう氏が、独自に入手した資料から、元役員が横領した資金の流出先に暴力団関係者がいるとウェブサイトに掲載した。
これに対し、アップバンクの創業者で、ゲームの攻略動画で著名なマックスむらい氏(本名:村井智建、現在は取締役)は、疑惑に反論する内容の動画をユーチューブ上で配信(2月8日)するなど、問題は拡大している。
横領疑惑が発覚してから、初めて会見したアップバンクの首脳陣。報道陣からの質問に対し何を語り、そして何を語らなかったのか。
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