成長続いた楽天、海外事業で減損の「誤算」

過去最高の売上高でも8年ぶり減益の理由

「(電子書籍の)コボについては明らかに安定成長している」と決算会見で強調した三木谷氏

売上高は過去最高。が、利益も同じように、とはいかなかった。楽天が2月12日に発表した2015年12月期の通期決算(国際会計基準)は、2007年12月期以来、8期ぶりの営業減益となった。

重くのしかかったのは、海外事業ののれん減損だ。のれんの定期的な償却を要しない国際会計基準を、2013年度から採用していたが、海外で企業買収を重ねる中、懸念材料となっていた減損リスクがついに火を吹いた。

2015年度の売上高は7135億円(前期比19.2%増)で、営業利益は946億円(同11%減)と、増収減益に。減損損失は全部で381億円に上り、営業利益を大きく押し下げた。2010年に買収した仏ECサイト運営の「プライス・ミニスター」と、2011年に傘下に収めたカナダの電子書籍企業「コボ」の2社が大きく、減損額の6割超を占めた。2社ともに200億円以上を投じての買収だったが、買収当時の計画からは収益性の向上が遅れ、赤字となった。

「楽天市場」や「楽天トラベル」が快走

決算会見で、三木谷浩史会長兼社長はコボについて、「われわれとしては、明らかに安定成長しており、収益改善ができていると思ったが、監査法人が減損と判断した」と説明。プライス・ミニスターについても、「当初の計画とは、正直、少し乖離している。ただ、われわれとしては自信を持っている」と、成長性を強調し、減損に悔しさをにじませた。

もっとも、減益となったが、楽天の主力事業が傷付いているわけではない。収益を牽引する、国内EC(電子商取引)事業や金融事業は、ともに成長を続けているからだ。

「楽天市場」や「楽天トラベル」を中心にした、国内EC事業の流通総額は、2兆6748億円で、前期比10%増の成長だ。流通総額は楽天市場などで消費者が支払った合計額であり、楽天はここから主に手数料収入を得ている。国内EC事業の売上高は、前期比7%増の2845億円と伸びた。クレジットカードや証券などの金融事業も、売上高が2751億円(前期比16.3%増)と、高い伸び率だった。

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