「話が通じない」と嘆く人が見落とす"盲点" ANA流伝え方で「言った、言わない」が解決

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ANAの「ヒューマンエラー対策」とは?(撮影:尾形文繁)
「絶対に伝えたはずだ」と自分では思っていたのに、相手は「いいえ、聞いていません」の一点張り――。人間関係ではこうした「言った、言わない」が問題になることがあります。このようなとき、多くの人は「話が通じない人だ」と相手を責めがちですが、実は伝え方に問題があったのかもしれません。『仕事も人間関係もうまくいく ANAの気づかい』の著者であるANAビジネスソリューションに、職場での指示や考え方が伝わるコミュニケーションのコツを教えてもらいました。
(構成:東洋経済オンライン編集部)

前回の記事:事実!「声をかけやすい人」は仕事ができる

 仕事相手に「こうしてほしい」と伝えて、実際に行動してもらうには、「相手に伝わっている」ことが必要です。ところが、これがなかなかうまくいきません。

当たり前のことを言うようですが、自分と相手は他人同士です。自分の伝えた内容と、相手に伝わった内容が一致しない場合もあります。自分本位で「伝える」ことを考えるだけでなく、相手の立場になって「伝わる」ことを考えなければ、「言った」「聞いていない」の食い違いが生じてしまいます。

ANAビジネスソリューションが実施している「ヒューマンエラー対策」の研修では、まさに「大事なのは『何を伝えたか』ではなく『何が伝わったか』である」ということを教えています。

「伝える」と「伝わる」はまったく違う

そのための秘訣は、とてもシンプル。「伝えたいことが伝わったかどうか、きちんと確認することが大事」と語るのは、30年以上整備部門に在籍し、ANAビジネスソリューションでヒューマンエラー対策講師を務める山内敏幸です。

たとえば、電話で待ち合わせの時間と場所を決めるときは、次のような会話になります。

Aさん「品川駅の高輪口に夕方5時に待ち合わせでいかがでしょうか」
Bさん「はい、わかりました」
Aさん「高輪口はおわかりになりますか」
Bさん「プリンスホテルがあるほうですね」
Aさん「その通りです。5時にお願いします」
Bさん「はい、夕方の5時ですね」

あからさまに確かめていることが相手にわかってしまうと失礼にあたるおそれがあるので注意が必要ですが、自分が言った内容を相手に繰り返してもらうと、伝わっていることを確認することができます。

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