外国人が殺到するイチゴ農園が宮城にあった 食べる宝石「ミガキイチゴ」は何がスゴイのか

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――イチゴといえば「あまおう」「スカイベリー」など多くの品種があります。高級イチゴブランドの中で「ミガキイチゴ」はどのような存在でしょうか。

「ミガキイチゴ」は宮城県山元町で栽培された、上質な複数品種のイチゴの“地域ブランド”です。「とちおとめ」「もういっこ」など、その時期に最も美味しい品種をGRAの農場から直接、お客様のもとへお届けしています。

一般的によく知られている「あまおう」「とよのか」などは“品種ブランド”。品種ブランドで生産していると、どうしてもその品種の特性に左右され、時期により味や形にブレがあります。ブランドというのはお客様への約束だとすると、同じクオリティのイチゴを通年提供しなくてはいけない。これが「ミガキイチゴ」というブランドの大前提の考え方になります。そこで、私たちは複数品種のイチゴを職人とITの技術を組み合わせた最先端農園で生産し、高品質の「ミガキイチゴ」ブランドとして提供しています。また、地域ブランドにすることで、日本の、東北の、山元町で生まれたというストーリーと語ることができる。これも大きなメリットです。

――なぜ、「ミガキイチゴ」という名前に?

ダイヤモンドをモチーフにしたパッケージデザイン

山元町はもともとイチゴの産地で、多くのイチゴ農家がハウス栽培をしていました。それが東日本大震災で、津波の被害により4,000棟余の家屋が全半壊し、多くのイチゴ農家が壊滅的な被害を受けました。そんな山元町で、震災直後にイチゴ栽培を始めました。山元町のイチゴはもともととても美味しかった。でも、まだ原石だな、と思いました。なぜなら、震災前のイチゴは職人のカンと経験で栽培されていたからです。

伝統的な職人の技に、IT、サイエンスのアプローチを組み合わせば、美味しさはもっと磨かれて宝石になり、安定供給が可能になる、私たちはそう考えました。ダイヤモンドは、最初はただの原石。それを磨き上げることで光り輝くダイヤモンドになる。そんな思いを込めて、「ミガキイチゴ」という名前をつけました。パッケージに描かれている「ミガキイチゴ」のキービジュアルも、ダイヤモンドの形をしたイチゴにしています。

世界から年間1万人が訪れるITイチゴ農園

――訪日旅行でのイチゴ狩りは外国人観光客に人気ですが?

私たちGRAでもイチゴ狩りを実施しています。昨日は、台湾からブロガーが来てくれたのですが、「日本旅行の中でここが一番楽しかった!と言ってくれました。その後、Webサイトのアクセス数が一気に伸びました。また、海外から映像作家の方も来てくれています。こうしたクチコミやメディアの力も借りて、ミガキイチゴのイチゴ狩りを目指して、外国人観光客が山元町を訪問するようになってきているのです。

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