寺も僧侶も仏教も、イノベーションが必要だ

「僧侶の学ぶ場」を作った若きリーダーの挑戦

仏教が好きでお寺に就職したという松本紹圭氏。世界経済フォーラムでヤング・グローバル・リーダーにも選出された若き僧侶は「仏教」に高い可能性を見い出している(神谷町光明寺のオープンンテラス)
お寺や仏教に興味を抱き、検索を始めると、あるいは業界関係者に話を伺うと、かなりの確率で登場する僧侶がいる。浄土真宗本願寺派光明寺の僧侶、松本紹圭さんである。東京大学で西洋哲学を学び、インドのビジネススクールでMBAを取得し、世界経済フォーラム(ダボス会議)のヤング・グローバル・リーダーにも選出された36歳の僧侶。彼はお寺業界をどう変えていくのか。

お寺や仏教は「ダイヤの原石」

松本紹圭さんの実家はお寺ではない。つまり、継ぐべきお寺があったわけではない。仏教が好きでお寺に「就職」をした、お坊さん業界の中では少数派の僧侶だ。

僧侶になって13年。元々ITリテラシーが高く、宗派を超えたインターネット寺院『彼岸寺』を始めた。そして、都心にあるお寺の存在価値とは何かを問い、神谷町にあるお寺の中にカフェという「場」を作った。多くのエポックメーキングな事業を行ってきたが、日々の活動の中で、あることに気が付いた。

「宗教者に対する宗教リテラシー教育の必要性」である。最も大きな取り組みは「未来の住職塾」を立ち上げたことだろう。教義の解釈ではなく、お坊さんが「お寺のあり方」を学ぶ場づくりだ。

「なぜお坊さんになったのですか、とよく聞かれますが、私はお寺や仏教を『ダイヤの原石』だと思っていたんです。もっと磨けばものすごいものになる、“ここには本当のことがありそうだ”という予感ですね。だからお坊さんになりました。継ぐべきお寺がないというのは、身軽な立場であるのは間違いありません。

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