「幸せ」を工学博士とお坊さんが解明しました あなたの幸福度が上がるメソッドを大公開

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前野隆司氏(左)と井上広法氏(右)。立場は違えど「幸せ」をテーマに研究・活動している二人。くしくも同じような結論にたどり着いた(撮影:梅谷秀司)
キヤノンのエンジニアから一転、慶応義塾大学大学院で“人間がかかわるシステムのデザイン”研究者となり、科学的に「幸福とは何か」を研究することになった前野隆司教授と、仏門に入り、グリーフ(悲嘆)ケアの探求から幸せとは何かを検証し始めた井上広法僧侶。まったく異なるスタートから探ってきたそれぞれの「幸せ」。初顔合わせとなる二人がどのような結論を導き出すのか。幸せをつかむにはどうしたらいいのか。二人が実践しているトレーニングを含めて、2回にわたってお届けする。

誰もが知りたい、幸せのメカニズム

井上:私は2014年の12月から、恵比寿にある「寺子屋ブッダ」というラボで「お坊さんのハピネストレーニング」というワークショップを始めまして、これは清水ハン栄治さんという方がまとめられた「ハピネストレーニング」を元にしたものなのですが、勉強のために前野先生の『幸せのメカニズム』を読ませていただきました。そうしたら、理系の先生の研究と、われわれお坊さんが考える幸せがほとんど同じで驚きました。それでぜひ、先生に直接お会いして幸せとは何か、お話ししたかったんです。

前野:清水さん、友人です。『happy』という映画をプロデュースをされたり、Life Schoolという活動をされていますよね。私も、幸せとは何かの研究を進めていくと、なぜかお坊さんにお会いする機会が多いんです。幸せについてお話しするのを楽しみにしていました。

井上:先生はなぜ幸福を研究することになったのですか?

前野:もともとはキヤノンでエンジニアをしていて、カメラのレンズを動かすモーターの研究をしていました。在職中にカリフォルニア大学のバークレー校のコンピュータメカニクス研究所で先端技術を学ぶ機会があり、95年に大学に移ることになりました。大学って、企業にいるより好きなことができますから、もともと好きだった“人間の心に関係あること”を研究しようと思ったんですね。それでロボットの研究を始めました。

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