「バレンタイン嫌い」の女性に伝えたい視点 仕事で活かさないのはもったいない!

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カードを書かないメンバーには言い含めて書かせたし、「業務として配ります」と嫌そうに言うメンバーには「それならやらなくていい」と答えたこともあります。オンナ上司の部署の一大行事であり、今となっては懐かしいですね。今でも続けてくれているメンバーがどのくらいいるかわかりませんが、私の意図が伝わって、やる意味を見いだせた人が続けてくれれば充分かなと思っています。

クライアントへの贈り物と違って職場でやるのはいかがなものか、ということはあるでしょう。日頃から「ありがとう」と言い合える職場なら必要ない慣習なのかもしれないし、そういうウェットな習慣はムダだと判断して廃止している職場もあるでしょう。

「お返しを考えるのが面倒くさい」という男性社員がいるのも事実です。でも、「わー、素敵なホワイトデーのギフト、うれしい!」と喜ばれて、「お返しが面倒なので来年はバレンタインなんて要らない」などと言いだす男性社員も少ないのではじゃないでしょうか。

お互いにあたたかい気持ちになれるイベント

賛否両論あるけれど、クリスマスやハロウィンって必要か? といった議論と同じように、楽しい、メリットを感じる、周囲の雰囲気からやめられない、とちょっとでもプラスの側面があると思うのであれば、楽しんでやってしまえばいいと思います。逆に、主義に反する、というのであれば「大人げない」なんて気にせずにやらなければいい。相手のことを思い浮かべられないギフトになるなら、それもやらない方がいいでしょう。

でも、 誰かとの関係や喜ぶ顔を思い浮かべる瞬間って、結構いいものじゃないかと私は思うのです。 実は私は、お世話になっている方たちに、お礼やお詫びを言うタイミングを逃したり、すごくご無沙汰してしまったりと、いつも失礼をしてしまうだらしないオンナ。だから、こういう行事があると、「しめた!」「いい機会」と思ってのっかってしまうのかもしれません。

きっと、受け取る人たちも、そんな思惑はわかりながらも、にやりとしてくださっているだろうと思います。「本来は……」「目的は……」となるのもわかるけれど、人間関係のメンテナンスができて、お互いに暖かい気持ちになれる、私にはバレンタインはそんな大事なイベントなのです。

堂薗 稚子 ACT3代表取締役

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どうぞの わかこ / Wakako Dozono

1969年生まれ。1992年上智大学文学部卒業後、リクルート入社。営業として多くの企業を担当し、数々の営業表彰を受ける。管理職として、多様な雇用形態の組織の立ち上げやマネジメント、『リクルートブック』『就職ジャーナル』副編集長などを経験。2004年第1子出産。2007年当時組織で最年少、女性唯一のカンパニーオフィサーに任用され、事業責任者、「リクナビ派遣」編集長を務める。2010年に第2子出産後はダイバーシティ推進マネジャーとして、社内外女性のメンターを務めつつ、ワーキングマザーで構成された営業組織の立ち上げ、マネジメントを担当し、彼女たちの活躍を現場で強く推進した。経営とともに真の女性活躍を推進したいという思いを強くし、2013年退職。株式会社ACT3設立、代表取締役。女性活躍をテーマに、講演や執筆、企業向けにコンサルティングなどを行っている。2013年2月、リクルート在籍時に東洋経済オンライン「ワーキングマザーサバイバル」連載に登場。FBのいいね!数が6000を超えるなど、話題となった。

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