19年ぶりの外部登用 NHK改革の茨道

19年ぶりの外部登用 NHK改革の茨道

会長選出の直前に指名委員会で内紛が勃発。混乱の末に担ぎ出されたアサヒの福地氏はスタートから前途多難。(『週刊東洋経済』1月12日号より)

 1月25日、NHKの新会長に福地茂雄アサヒビール相談役(73)が就任する。外部からのトップ登用は元三井物産社長の池田芳蔵氏以来、19年ぶりとなる。

 昨年6月に古森重隆氏(富士フイルムホールディングス社長)が経営委員長に就任して以来、NHKに改革を求める動きは加速。生え抜きの橋本元一会長の再任を認めず、「外部でないと思い切った改革は難しい」(古森氏)とし、財界人を中心に適任者を探していた。福地氏には11月以降、古森氏自らが再三打診。12月上旬に4度目の説得でやっと了承を取り付けたという。

 だが会長選出の直前、委員2人が古森氏の議事運営が強引だとして、批判会見を開くなど土壇場で混乱もあった。12月25日の指名委員会では反対する委員から対立候補も提案されたが、結果は賛成10対反対2で、福地氏が会長就任に必要な9票を獲得した。 

 古森氏の強力なプッシュを受けた福地氏は、同日の会見で「人生最後で最大の仕事として取り組んでいきたい」と決意表明。ビール会社から公共放送とまったくの畑違いだが「組織をまとめる基本的な考え方がはっきりしていれば大丈夫」と自信をのぞかせた。

 ただ、経営委員会では昨年9月に執行部が出した「5カ年経営計画」を突き返し、練り直しを要請しており、経営委員会と執行部間は緊迫ぎみ。経営委が選んだ「外部」のトップが職員から信頼を得られるかも未知数だ。任期は3年。福地氏はスタートから難しい舵取りを強いられる。

(書き手:倉沢美左 撮影:今井康一)

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