日本人が知らない海外の大炎上事件トップ5 ウォルマートのケーキは何がマズかったのか

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ウォルマートが2015年に起こした日本人の知らない炎上事件とは(写真:ロイター/アフロ)

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情報通信技術の飛躍的な発展によって、今や情報はただちに世界を駆け巡るようになった。多くの人にスマホが行き渡り、ときにはニュースサイトで、ときにはSNSであるいはその両方が相乗してどんどん情報は共有され、そしてそのいくつかは炎上する。

一方、こうした時代にありながら、日本人が知らない海外の炎上事件も多々ある。その中には日本に関係する話もあったり、教訓になったりするにもかかわらずだ。2015年に日本ではさほど報道されなかった海外炎上事件をご紹介したい。筆者の私的な観点からトップ5を選出した。ここで筆者は事実を書くことを中心とし、私見は最小限にとどめる。これらの炎上事件は、はたして責められるにしかるべき内容だろうか。それともネット時代特有の過剰反応だろうか。

海外炎上史2015<私的>トップ5、まずは5位から

【第5位ターゲットの女性蔑視Tシャツ

ターゲット(Target)は米国を中心とする有名な大型の小売りチェーンだ。そのターゲットが若い女性向けに発売したTシャツには、デカデカと「TROPHY(トロフィー)」と書かれていた。トロフィーとは日本語でもよく使われるが「入賞や受賞を記念して贈られる杯」(大辞林)のことだ。これは、一度見ていただくほうが早いと思う。「Target TROPHY T-shirt」とでも検索いただければ、女性と問題のTシャツの関連写真が無数に出てくる。

「女性は男性が獲得する商品にすぎない、とでも言いたいのか」

これに反応したのが人種差別反対団体だ。女性は、成功者の男性が入手するトロフィーのはずはないし、そもそも男女どちらかに優劣があるはずもない。女性にラベルを貼り、あたかも取引対象物のように扱うことへの嫌悪感も乗じて、このTシャツ問題は炎上していった。

当商品に限らないものの、これを巡って多かったのは小売店の姿勢を問う意見だ。つまり、「この小売業者、ターゲットは女性を公共レイプして平気な企業なのだ」と。なお、ターゲットは丁寧に対話に応じ、消費者団体も含めて感謝の意を表したものの、このトロフィーTシャツは発売中止には至っていない。

【第4位】病人を馬鹿にするセーター

ターゲットはほかにも炎上事件を起こしている。「OCD(Obsessive Compulsive Disorder)」という言葉がある。これは、「強迫性障害」と訳されるものだ。微細なことが気になってしかたがなく、手を何回も洗ってしまったり、本のページを正しくめくっているか気になったりしてしまうような精神疾患の一種である。

このOCDを茶化したのが、ターゲットの販売したセーターだった。“OCD: Obsessive Christmas Disorder.”と、Cをクリスマスと言い換えパロディにした。これも同じく「ocd target sweater」などと検索すれば関連写真が無数に出てくる。

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