食品の不正流通が一向になくならない理由

そこには不届き者が得るうまみがある

みのりフーズの敷地に山積みにされていたマルコメの段ボール箱(写真:毎日新聞社/アフロ)

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目の前の食品を買うべきか、買わざるべきか

「坂口さんねえ、この前も流れてきたんですよ。串カツが大量に。味も悪くない。品質も保証するという。期限もそれなりに残っている。でも、市価の9割引きなんですよ」

その昔、食品流通企業からこんな話を聞いた。これを買うべきか、買わざるべきか。結局、その企業は買い取っていない。なによりも、9割引きという数字に恐懼(きょうく)したからだ。

食品流通の世界では、良質な業者が大半だが、たまにババをひくケースがある。たとえば、廃棄食品を横流ししてしまう業者や、あるいは品質上問題のある食品を意図的に転売するケースだ。

もちろん転売自体は悪いことではない。賞味期限切れが迫った場合は、通常価格の10%以下で流通するケースは珍しくない。廃棄品など、“事情ある”食品を購入してしまった側も、それが発覚すれば責任を免れない。ただ、やはりそれら廃棄食品を不正に転売する業者は跋扈し、いくつかは消え、そしてふたたび現れて跳梁していく。

これは今に始まったことではない。

【三大食品不正転売事件①】ミートホープ

1976年に設立されたミートホープ社(北海道)は食肉製造加工業者で、スーパーや食品メーカーを取引先に急拡大していた。2006年には16億円もの売上高を誇った。同社は食肉製造の偽装についても罪を犯していた。ただ、本原稿では不正転売について述べる。

事件が発覚したのは2007年のことだ。きっかけは、元幹部の内部告発だった。

当時、ミートホープ社には「チャンス品」と呼ぶ食品群があった。それは、賞味期限切れが近いもの、そしてすでに賞味期限が切れている食品だった。

なるほど、誰かが捨てるものが、誰かにとっては利益を生む「チャンス」になるということか。同社は、北海道加ト吉から廃棄冷凍コロッケを買い取っては、包装を破りスーパーに出荷していた。これで賞味期限がわからなくなり、一瞬で新商品として蘇らせた。

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