日本発の仮想通貨「カルダノエイダ」の光と影

開発資金調達のICOをめぐり、くすぶる批判

カルダノの開発を手がけるチャールズ・ホスキンソン氏。イーサリアムの開発者として知られる(2018年9月、記者撮影)

「スタート時がフェアだったのかどうかという質問に何度も何度も答えるのは正直うんざり。過去は過去でしかない」

「投資をした方々は間違いなく得たものがある。またその価値は投資した当初と比べてかなり上回っている」

今年1月下旬、記者の取材に彼はそう息巻き、不満げな表情をみせた。彼の名はチャールズ・ホスキンソン氏。ビットコインと並ぶ代表的な仮想通貨(暗号資産)イーサリアムの開発に携わった経歴を持つ。現在は新しいブロックチェーン技術である「Cardano」(カルダノ)の開発を手がけている。

詳細は後述するが、資金と人材における貢献度からカルダノは「日本発」の仮想通貨と言える。しかし、開発資金を調達するために行ったICO(イニシャル・コイン・オファリング)で、「まるでマルチ商法だ」「情報弱者をあおっている」との批判を受けた。そのため、日本の仮想通貨業界で表立って話題にする人は少なかった。だが、その存在はもはや無視できないものになっている。

ICOで日本を中心に69億円調達

ホスキンソン氏らは、「ADA」(エイダ)と名付けたカルダノ上で使用されることになる仮想通貨を人々に買ってもらうことで、カルダノ開発のための資金を集めた。

2015年9月から2017年1月までの間、日本をはじめアジア8カ国でエイダ購入の募集が段階的に行われた。エイダを購入したのは約1.4万人。最終的に集めた額は6200万ドル(約69億円)で、その94%が日本からのお金だった。

一時期は本当に上場できるのかと危ぶむ声も多かったが、エイダは2017年9月、アメリカの大手仮想通貨交換所に上場。その後、中国にある世界最大手の「Binance」(バイナンス)も含め、20超の交換所に上場している。

次ページ価格は一時、400倍に急騰
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
  • 30歳とお金のリアル
  • はじまりの食卓
  • 競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 晩婚さんいらっしゃい!
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
先端医療ベンチャー<br>バイオ・AIが巻き起こす長寿革命

GAFAなどのIT大手や名だたる世界の投資家たちが今、医療ベンチャーに熱い視線を送っている。投資額は約1.7兆円、10年で7倍近くに膨らんだ。ゲノム、AIとの融合、異端技術による創薬、不老長寿研究……。次世代医療の覇者は誰か。