「出身中学」で就職が有利になるのは正しい 「企業が欲しがる人材」はこうして育つ

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中学受験をさせるべき理由とは?(写真:Graphs / PIXTA)
「子どもに中学受験をさせるべきでしょうか?」
この質問に対し、私はいつも強い信念を持って、こう答えています。「中学受験をさせるべきです」
そう語るのは、東大・大学院(東大は学部・大学院・研究所を含め計4回卒業)などを経て、現在は医師として日本初の受験生を専門に扱う心療内科のクリニックを営む吉田たかよし氏。『有名中学に合格した子の親がやっていること』の著者でもある吉田氏に、中学受験によって一生役立つ力を身につける方法を聞きます。

中学受験は何がいいの?

東大の「赤門」の真正面にある私のクリニックには、うつ病やパニック障害などを抱えながら中学受験に挑む子どもとその親御さんがやってきます。それに加えて、健康な子に対しても有名中学への合格に向けて、記憶力や集中力、やる気などを向上させる指導をしています。

男子校であれば 「麻布」 「開成」 「武蔵」、 女子校であれば 「桜蔭」 「女子学院」 「雙葉」 といった「御三家」と呼ばれる有名中学(名門私立の中高一貫校)に入る。そうすれば、東大など超難関大学に合格する受験テクニックが身につけれる……私はそういった安直な理由で中学受験をおすすめしているのではありません。

結果として超難関大学への合格に近づくのは事実ですが、それは受験テクニックを身につけられるからではありません。多くの人が誤解していることですが、中高一貫のトップ校では、そもそも“詰め込み主義”で日々受験テクニックを叩き込んでいるわけではありません。実態は、その正反対なのです。

私自身、中学受験を経て灘中に通いましたが、自由放任主義といっていいほど生徒個人の自主性を尊重した校風が伝統的に受け継がれていることを実感しました。この傾向は、ほかの有名中学にも共通しています。

昨今、そんな実態を知るようになった企業では、出身大学ではなく、出身中学を重視して人材採用する傾向が強まっているといいます。中学受験は、将来の就職活動も有利にしてくれるというのが最新のトレンドとなっているのです。

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