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朝日新聞社が「臨時株主総会」を開催へ、すわ緊急事態が発生したのかと思いきや前代未聞のミスが原因だった

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臨時株主総会を開催する理由とは?(写真:編集部撮影)

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10月21日、帰宅すると、朝日新聞社から「臨時株主総会」の招集通知が届いていた。毎年6月の定時総会とは別に臨時総会を開催するとは、ただごとではない。合併や買収による大がかりな企業再編か、それとも大株主が突き上げて経営陣の退陣要求でもするのか――。すわ緊急事態の発生かと思いきや、意外や意外、前代未聞の珍事であった。

朝日新聞社は10月20日、臨時株主総会の招集を約1700人の株主に通知した。受け取った株主は皆、一瞬驚いただろう。企業が臨時株主総会を開くというのは、定時総会まで待つことのできない喫緊かつ重大な経営課題が生じた場合が多いためだ。

実際、今から12年前の2014年12月にはそうした臨時株主総会があった。当時の木村伊量社長が、東京電力福島第一原発事故をめぐる「吉田調書」報道や従軍慰安婦報道の誤りを認め、さらに池上彰さんのコラムを不掲載にしたことの責任を取って辞任し、渡辺雅隆新社長へと体制を刷新するための、まさに会社存亡の危機ともいえる局面における総会であった。経営トップが謝罪し、経営陣を入れ替えるほどの重苦しい事案だったのが14年の臨時総会である。

7月15日付け朝日新聞大阪府内版に掲載された公告。この記載内容には重大なミスがある。おわかりになるだろうか(撮影:編集部撮影)

それに比べると、今回の臨時総会の理由は、あきれ果てるほどに「落差」の激しいものだ。

「株券不発行会社」に移行するはずだった

朝日は6月24日に開いた第173回定時株主総会で、遅ればせながら8月1日から「株券不発行会社」に移行するという定款変更を決議したばかりだった。朝日は定款の8条で「株券を発行する」と定めてきたが、印刷コストや管理コストの削減を図るため、定款を変更して「株券を発行しない」ことにしたのである。

「株券不発行制度」とは、紙の株券を物理的に発行せず、株主名簿などの電子的な記録によって株式の保有状況を管理する仕組みのこと。06年5月に施行された会社法では、それまでは紙の株券を発行しなければならなかったのを一転させ、紙の株券の発行を不要とした。上場企業においては、09年1月の「株券電子化」の実施に伴い、紙の株券は一斉に無効化され、電子的な管理へと完全に移行した。

しかし、非上場企業の場合は自動的に電子化できるわけではない。自ら株主総会で定款を変更し、「株券不発行会社」へと移行する手続きを行う必要がある。移行の主なメリットは、企業側にとっては株券の印刷代や交付・管理にかかるコストの大幅な削減であり、株主側にとっては、物理的な株券を紛失したり、盗難に遭ったりするリスクを回避できる点にある。また、譲渡等の際の手続きも簡素化される。

朝日の動きを「遅ればせながら」と表現したのは、09年の上場企業一斉電子化からすでに17年という長きにわたる年月が経過しているからだ。大手メディアや一定規模以上の非上場企業の間では、コスト削減と管理効率化の観点から株券不発行への移行はとっくに完了し、主流となっている。読売新聞グループ本社や日本経済新聞社はすでにペーパーレス化を導入済み。他社がとうの昔に終わらせている手続きを、今頃になって重い腰を上げて進めようとした矢先に起きたのが、今回の”騒動”なのだ。

本店住所を誤って記載

いったい、何が起きたのか。

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