鼻息荒く調理場へ向かったのだが、まじかよ、お子さんを連れた4人組が、屋外でバーベキューをしている姿が目に入ってきた。血に飢えたハイエナのような視線を向けた結果、「もしよければ一緒にどうですか?」とありがたすぎるご提案をいただいた。が、本当にここで肉をご馳走になっていいのか? 美味しい肉を食べたせいで、小麦粉を食べたときに物足りなさを感じたり、ガッカリした気持ちになるんじゃないか……。
苦虫を嚙み潰したような表情でお断りを入れ、小麦粉を片手に調理場に入った。調理場には島の飲食店『カフェスタンド くるり』さんの店主が、宿泊者用の料理を作っていた。美味しそうな黄金色の天ぷらを揚げている横で、私は小麦粉100グラムにお湯50mlを入れ、ただひたすらこねる。
一心不乱に小麦粉と向き合った結果、奇跡的にイイ感じの生地が完成。油をひかずにフライパンの上で焼いていく。
焼いても焼いても一向にふっくらせず、小麦粉と水の塊に焼き目だけが入っていく。ぜんぜん美味しくなさそうだなと思いながら生地をひっくり返すと、おー、ナンかふっくらしたぞ。ナンだかナンっぽくなってきたかも。
最大の魅力は「温かい時間」
出来立て熱々のナンを食べてみた、私の正直な感想は「小麦粉に小麦粉を加えて、小麦粉を振りかけたような味」「カレーに付けたら、うん、まぁいけるか」「意外とボリュームがあるな」「点数をつけるなら50点くらい」……。


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