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フランスで55万人超による相次ぐ抗議デモが暴徒化、略奪・放火から見えるマクロン政権のエリート主義と移民政策の限界

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2026年10月17日、パリのデモや暴動が止まらず、市民生活にも深刻な影響を与えている(写真:2026 Bloomberg Finance LP)
  • 安部 雅延 国際ジャーナリスト(フランス在住)
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今回のような抗議デモの暴徒化について、主導しているのは移民だと言われており、反移民を掲げる政党を中心に、批判の矛先を移民に向けることが多い。だが、フランスでは国外から移住した両親から生まれた子どもは、移民とは法的に見なされていない。

フランスで最も多いアラブ系移民は人口の1割に当たる600万人以上と言われるが、在仏のアラブ家庭で生まれた子どもはフランス人とされている。しかも出身国別の人口調査は行っていないために正確な数字は把握されていない。

過激集団「ブラックブロック」とは?

今回、商店の破壊や略奪行為、公共建造物への放火などを主導したとされる過激集団の「ブラックブロック」は、秘密組織でも指導者を持つ組織化された集団でもない。むしろ一時的な抗議活動のための戦術的手法と指摘されている。

その手法は、集団的な匿名性、積極的な連帯、そして制度的・商業的なシンボルを意図的に利用することにある。彼らはデモ行進の中で自然発生的あるいは意図的に形成され、16年以降、個人または特定の志向を持つグループが、統一された黒い服装で乱入している。

一方、デモ終了後に参加者は服を着替えたり群衆の中に紛れ込む。時期が来れば、再び匿名の抗議者となるため逮捕することは非常に困難とされる。

繰り返し参加する人々は主に若年層、多くは学生または大学卒業生で、強い知的・政治的背景を持ち、逮捕を避け、組織を暴かれることも嫌う。構成員は急進的な環境活動家、反資本主義的かつ革命的な視点に根ざしたフェミニスト、無政府主義者など多様だ。

無論、破壊行為は、資本主義と国家の象徴(銀行、多国籍企業、人材派遣会社など)に標的を絞っている。また、彼らが「ブルジョア国家の砦」と見なしている法執行機関との対立は「体制に内在する暴力性」として認識しているものを明るみに出そうという試みでもある。

つまり大量消費社会を拒絶しており、店舗から金品を略奪する日和見主義的な略奪者とは異なる。

デモが巨大化し、デモ主催者の統制が効かない今回のような状況では、日ごろから店舗からの万引きを行う移民系の若者の多い不良グループの略奪者と、反資本主義の極左アナーキストが混在する傾向がある。いずれも暴力を否定していないために、報道されているような様相が生まれることになる。

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