衆院議員から都知事に転じた約半年後の17年2月の千代田区長選では、75歳の高齢と5期の多選を批判された石川雅己氏を応援し当選させた。その後任の樋口高顕区長は、京都大学在学中に衆院議員だった小池氏の地元事務所を手伝い、都民ファーストの会の立ち上げに参加。17年の都議選では、千代田区選挙区で初当選を果たしている。
だからこそ、都民ファーストの会にとっては23年の都議選で、元NHK党の佐藤沙織里氏に選挙区を奪われた雪辱を晴らしたい思いがある。今年2月の衆院選では、小池知事は東京1区を含む自民党が候補を擁立していた選挙区に応援に入っている。
そればかりではない。24年10月の衆院選で小池知事は、裏金問題で1年間の党の役職停止処分を受け、自民党の公認を受けられず比例復活もない萩生田光一氏を応援するために八王子駅前でマイクを握った。おかげで萩生田氏は次点の有田芳生氏を7533票上回る7万9216票を獲得して当選。首の皮一枚でつながったことになる。
自民・参政・都民ファが織りなす「三国志」
高市首相とは同じ女性の行政トップとして「国と都の連携」を確認し、今年の「骨太の方針」から「東京への一極集中」の文言を削除させた小池知事だが、高市政権と一枚岩というわけではない。簗氏の問題については10月16日の会見で、「(簗氏の辞任は)もう少し早くてもよかったのでは」と苦情を呈している。
ともに1992年の参院選が初の選挙だったが、比例区で自らを上位にノミネートさせ、華々しく当選した小池知事に対して、奈良県選挙区で自民党の公認を得られなかった高市首相は落選の涙を飲んだ。
しかし、2008年の自民党総裁選で初の女性候補として意気込んだものの、都道府県票がゼロだった小池知事に対して、21年の総裁選でダークホースだった高市首相は74票の党員票を獲得し、会場をどよめかせた。
そして、24年の総裁選では109票の党員票を獲得。初の女性総裁を誕生させた25年の総裁選では119票を得た。高市内閣の支持率が大きく下がらないのは、こうした岩盤支持層が育っていったことが基礎になったからだと思われる。
興味深いのは、自民党と参政党の台頭ぶりが逆相関の関係になっており、その票田が同じだという点だ。上述したように、自民党が低迷した25年の参院選で参政党は躍進したが、自民党が大勝した今年の衆院選では参政党が選挙区で392万4223票、比例区で426万620票にとどまった。
高市首相の敵は、台湾有事発言以来態度を硬化させる一方の中国なのか、それとも従来の保守勢力が渦巻く党内なのか。あるいは、票田を奪い合う参政党なのか――。ある意味で地方選挙がカギを握る時代が到来した。


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