もう一つ、企業の自己紹介で気をつけたいのが、「否定的な言葉」です。
日本では、謙遜や自虐をコミュニケーションに活用する文化があります。
自分を少し低く見せることで、相手との距離を縮めたり、親しみを感じてもらったりする。私はこれまで、その日本文化の特徴をPRにも活用してきました。
私もかつては、「うどん県」を皮切りに、自虐PRで地域の魅力を伝えたことがありました。しかし、AI時代には、同じ手法をそのまま使うと逆効果になりかねません。
「自虐」は、AI時代には別の意味になる
たとえば、「何もない県」という自虐的な表現を使ったとしましょう。
日本人は、「本当は魅力がたくさんあるけれど、あえて自虐的に言っているのだな」と、その背景やニュアンスを読み取ってくれるかもしれません。
ところが、AIがその言葉だけを拾って整理し、別の言語に翻訳して紹介したらどうでしょう。「ここは何もない県です」という情報だけが、一人歩きする可能性があります。
企業も同じです。
たとえば、高度な技術を持つ会社が、その技術を「ズルい技術」と表現したとします。日本人なら、「他社にはまねできないほどすごい」という意味の、ユーモアを込めた表現だと理解できるでしょう。
しかし、AIがその言葉を額面どおりに受け取れば、「ズルい技術を持つ会社」と紹介されてしまうかもしれません。
言葉の裏側にある微妙なニュアンスが、AIを介したコミュニケーションでは、そのまま伝わるとは限らないのです。
AI時代は、企業の自己紹介そのものを見直す時代なのです。


※ログイン後、コメント入力が可能です。