細かい話になるが、血液細胞を作り出す造血幹細胞は、パラバイオーシスによって個体間を移動することが知られていた。しかし、Conboy論文は、筋肉の前駆細胞は移動しないことを確認している。だから、「全身環境」による改善なのだ。
いちばん可能性が高いのは血液によるものだが、この時点ではそこまで確かめられていない。
若いマウスの認知機能は低下、老齢マウスでは改善
この論文はさまざまなバージョンでの追試がおこなわれ、2011年には、逆向きの作用、異時性パラバイオーシスをおこなうと、若いほうのマウスの神経新生が低下して認知機能が低下するという論文がネイチャーに発表された。
これって、若いマウスの立場に立つと、ちょっとつらそう。
2014年には同じ研究グループがさらに一歩進め、若齢マウスの血漿を老齢マウスに投与すると、加齢による認知機能が改善されることを、ネイチャー・メディシン誌に報告した。
これにも相当驚いたが、次々と研究が報告されていたので、さすがにもう疑うことはなくなっていた。
怪しげな研究として医学の歴史に登場した移植による若返り研究だが、なんと、血漿によって若返りが可能ではないかということになってきたのである。
それならヒトにも応用できるんとちゃうん? 以降の展開については次回のお楽しみということで。


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