逆に、資金力に乏しい日本のローカル鉄道会社がHMAXを導入できるのかどうか。
この点について、マリノ氏は「現在はAIの助けを借りたデジタル化により、必要となる投資額が過去よりも低くなっている」としたうえで、「私たちは多くの異なる国々において、ライトハウス(灯台・先導者)の存在でありたい。業界へのサポートも行っていきたい」と話した。少ない投資でHMAXを導入できるのであれば、人材不足やコスト増に悩むローカル鉄道会社には朗報だ。
シーメンスとの「差別化」はどこに
そして、最も知りたかったのは、HMAXのシーメンスに対する優位性である。マリノ氏は「他社を尊重したうえでお答えすると」と前置きし、4つの差別化ポイントを指摘した。それは以下のとおりだ。
- 独自の高度センサー技術:Perpetuum(パーペチューム)社、Omnicom(オムニコム)社を買収し、情報の基盤となるデータ収集技術をグループ内に保有
- データアーキテクチャの統合:あらゆるデータをそのままの状態で保管し、解析し、統合するための仕組みを構築
- マルチモビリティ展開:高度道路交通システム(ITS)を世界的に展開するClever Devices(クレバーデバイシズ)社を買収し、鉄道だけでなくバスなどの公共交通にも対応可能
- ワン日立:HMAXの稼働に欠かせない圧倒的な計算処理能力を支える自前のデータセンターを保有
マリノ氏へのインタビュー後、日立ブースでHMAXの担当者にも同じ質問をした。その答えは2つ。まず、「鉄道からエネルギー、工場まで、これだけワイドに展開している会社はまずない」。そしてもう1つは「チームワーク」だ。
企業グループの規模が巨大になればなるほど、グループ内のさまざまな人材・リソースを組み合わせ、スムーズに連携させることが難しくなる。多国籍企業グループであればなおさらである。

