「これら4つのシステムが相互に対話することで、さらに優れたコンセプトを構築できる」とペーターCEOは主張する。例えば、予防保全、信号システム、機関車アプリがそれぞれ列車の稼働率向上を実現することで、さらなる輸送力増強につなげるというわけだ。
さらに、ほかのシステムと連動することで革新が起きる。
例えばソフトウェアXは本来は運行ダイヤ作成ソフトであるが、座席予約システムと連動させることで、需要に応じたダイヤを作成し、座席の価格設定や割り振りを最適化できるという。ペーターCEOは「少しでも満席に近づけたい。鉄道の平均乗車率は約60%であり、40%の座席は空席だ。売り上げの40%を無駄にしている企業は倒産する」と、収益増につながる点を強調した。
日立のAIは新幹線に導入される?
日立もIoTプラットフォーム「Lumada(ルマーダ)」を活用して、NVIDIA(エヌビディア)の技術も取り入れながらAIソリューション「HMAX(エイチマックス)」を展開している。
2024年に鉄道向けとしてスタートし、車両の機器からデータをリアルタイムで収集し、保守コストを最大15%、列車遅延を最大20%削減といった効果があるという。その後、この仕組みを応用し、エネルギーなど他産業向けへの展開も始まった。鉄道向けでも、車両のみならず信号システム、インフラから得られるデータも統合し、一元管理することで、鉄道運営のさらなる高度化を目指すと会期中に発表された。HMAXを活用できる領域がどんどん広がっているのだ。
日立の鉄道事業を率いるジュゼッペ・マリノ執行役専務に話を聞いた。HMAXのセンサー技術は現在約2500編成の車両に導入され、今後は受注するすべての車両に搭載するとしている。現在の受注状況を踏まえると今後数年間で約3500編成に拡大するという。「日立が製造する日本の新幹線にもHMAXが導入されるのか」とマリノ氏に尋ねた。その答えは、「さまざまなお客様と話をしており、センサーの活用から始めるという話も出ている。お客様とパートナーを組む機会はあると考えている」というものだった。

