「輸送力の増強、信頼性の向上、コスト削減、快適性の向上という鉄道分野における4つの課題の解決策は、線路を増やすためにコンクリートと鋼鉄を投じることではなく、デジタルの世界に存在する」。シーメンスモビリティのミヒャエル・ペーターCEOが自社の展示ブースで、集まった報道陣に語りかけた。
「私たちは4年前、自らが生み出しているデータを体系的に活用することが必要だと訴えました。その時点で、一部の専門家を除いてAIについて語る人はいなかった。しかし、データの活用がAIを活用するための土台であったと、今ならわかります」
ペーターCEOはIoTプラットフォーム「Xcelerator(エクセレレーター)」のラインナップのうち、鉄道分野に特化した4つのプラットフォームを紹介した。
- 予防保全を行うRailgent X(レールジェントX)
- 輸送力増強を行うSoftwareX(ソフトウェアX)
- 信号・運行管理を行うSignaling X(シグナリングX)
- デジタル機能を充実させた機関車VectronX(ヴェクトロンX)
である。
機関車をスマホでリモート起動
レールジェントXは事後保全から予防保全への移行を支援し、車両とインフラ全体の稼働率を高める。ベルリンの新型Sバーン、コペンハーゲンのSバーン、そしてロンドンを走る列車「Desiro(デジロ)」などで導入済みという。
シグナリングXは信号技術、ETCS(欧州列車制御システム)、運行管理システムを統合したシステム。シンガポールの地下鉄で実施したテストでは、シンガポールの全路線の運行をたった1つのシステムの下で統括できることが確認できたという。
ヴェクトロンXは数百のセンサー情報をオープンインターフェース経由でスマート画面に表示し、アプリを自由に追加できる。運転中は勾配や負荷に応じて「今は4基ではなく3基のモーターで十分」といった判断を提案して省エネを図るほか、冬場に約20分かかる暖気・立ち上げ作業を、通勤途中にスマホからリモート起動しておくことで、現場に到着してすぐに出発できるようにし、稼働率を向上させることができるという。

