「ソウルメイト?」
恋愛ではなく、心のつながりを大切にしており、デートや旅行にも行くが、男女の関係はないのだと加藤は主張するのでした。
「俺からすると、そういう言葉でごまかしているようにしか見えないけどな。好きなら、ストレートにアプローチすべきじゃないのか。もし彼女が別の男性と結婚するとなったら、どうするんだ」
「それは……」
加藤は言葉を詰まらせました。
「……いや、俺は彼女に二度目の介護をさせることはできない」
思いやりのある男です。年上であることを引け目に、次のステップへ進むことができないのだなと察し、いじらしく感じました。
「彼女も、このままの関係でいいと言っている。これまで経験したことのないような、男女の友情だ。ありがたい。俺はこのまま彼女の家族を支えられたら、それでいいんだ」
「おい待て、支えるって、金銭面でも支えているのか」
「まあ、大した額じゃないよ。子どももできなかったし、俺は独りだからな。彼女の友達として、次世代を担う子どもたちのために、学費くらいは、と思っている」
「学費ってお前、それは友達の域を超えているぞ」
「いいんだよ。いいんだ、それで」
決意したような加藤の表情に、私はそれ以上何も言うことができませんでした。
フタコブラクダの地味美人
「それって新手のパパ活じゃないの」
話を聞いて、妻が言いました。
「危ないなあ。結婚を前提に付き合ってるとかなら、金銭援助もアリかと思うけど、何そのソウルメイトって。結婚詐欺ならぬソウルメイト詐欺って感じね。とっとと結婚しちゃうのがいいわよ。二度目の介護? 子どもの学費と引き換えに、やってもらえばいいのよ! これだから男子校育ちは困ったもんだわ、すっかり騙されて」
「だけどポッポーは、高次な関係だと言っているよ。お互いに連れ合いをがんで亡くしているわけだし、本人たちにしかわからない絆のようなものがあるのかも」
「……まあ、そういうことにしておきましょ。あの人、見た感じ、たぶんモテるわよ。ああいう地味美人っていうの? すぐ誰かいい男性ができると思う」
「だけど2つのコブつきだよ? そんな簡単に再婚なんかできるかね」
「ヒトコブラクダだろうがフタコブラクダだろうが、する人はするの!」


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