有料会員登録
ライフ

妻を亡くした友人に「そろそろ前に進め」と言ったら絶交された…60代男性が語る"中高時代からの友人"との関係が壊れた瞬間

9分で読める
画像はイメージ(写真:Fast&Slow/PIXTA)
2/5 PAGES
3/5 PAGES
4/5 PAGES

よく見れば、同行者もみな似たようなマスコットを持っています。キャプションには、「チームかすみ草の仲間でトレッキング! 全員が夫婦で参加! もちろん仁美も一緒に来たヨ!」とありました。

なるほど、この「チームかすみ草」とはおそらく、連れ合いを亡くした遺族の会だろう。私はそう合点して、コメントを書き込みました。

「元気そうで何より。川から山へ鞍替えですな」

すぐに加藤から返信コメントがつきました。

「山もまたよし! そろそろ飲みませう」

それから加藤はまめにFacebookを更新し、食事や、出かけた先などの写真を公開するようになりました。一人だったり、例の仲間たちと一緒だったりでしたが、写真には必ず仁美さんのマスコットが写っていました。それを見た私の妻が言いました。

「女はね、しがみつかれるのがいやなの」

「ポッポーさん、元気になったみたいでよかったわね。このお仲間のなかでお付き合いが始まったりしたらいいのに。いつまでも人形に頼ってないで、新しい生活をしたほうがいいわ。なんていうか、もしこれ私だったら、いやだもん、旦那がずっと私のことを忘れないなんて」

「え、忘れられたいの? さみしいんじゃないの?」

「パパってほんとわかってない。女はね、しがみつかれるのがいやなの。仁美さんだって、きっとポッポーさんに新しい伴侶を見つけてもらいたいと思ってるでしょうよ」

「へえ~、そんなもんかね」

二度目の絶交宣言は、この会話を私が飲みの席でぽろっと口にしてしまったことがきっかけでした。

部活仲間の夏の飲み会に現れた加藤は、シャツの胸ポケットから根付けのように例のマスコットをぶらさげて機嫌よく登場しました。久しぶりに出席率のいい会でした。相変わらず部室そのままの会話で盛り上がり、私も酔いが回りました。

5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数