INDEX
「浴槽の種類ごとの違いを聞きたいと思っていて」「天井の色は白とベージュどちらがいいかな」
10月上旬、東京・西新宿にあるタカラスタンダードのショールーム。平日にもかかわらず、赤ちゃんをベビーカーに乗せた家族連れや老夫婦が入れ替わり立ち替わり浴室の案内を受けている。
タカラスタンダードといえば、ホーローを使ったシステムキッチンに定評がある。ショールーム内の展示スペースでもキッチンの存在感が大きいが、記者が訪れたタイミングでは来館者の多くが浴室を真剣に検討していた。
国内の住宅市場は厳しい。2025年度の住宅着工戸数は71万戸と、前期比12.9%も減少。省エネ基準の改正に伴う反動減という一時的な要因もあったが、長期的に見ても1989年度の167万戸から比べて減少幅は6割近い。リフォーム需要は安定的に伸びているものの人口減少が響き、住宅設備業界は国内で大きな成長を見込めない。
そうした環境下でもタカラスタンダードは、25年度に売上高2527億円(前期比3.9%増)、営業利益190億円(同22.1%増)と、売上高・利益とも過去最高となった。とくに好調だったのが、25年度に売上高587億円(前期比5.3%増)に伸ばした浴室だ。業界団体キッチン・バス工業会によると、同期間におけるシステムバスの出荷台数が前期比1%減だったが、タカラスタンダードでは同5%増で着地した。
中東情勢の緊迫化を受けてTOTOが受注停止した影響が大きかったとはいえ、 今年4〜6月には 業界団体所属企業の出荷台数が前期比で10.2%減だった一方、タカラスタンダードは3.4%増と好調だった。金額ベースでみると浴室シェアはTOTOとLIXILが各3割程度で拮抗しており、タカラスタンダードは現在約14%と3位につけている。18年度は11%と4位だったが、着実にシェアを伸ばしている。
カスタマイズの幅を広げた
浴室事業が成長した背景には、製品面と営業面での変化があった。同社営業本部の辰巳祐介マーケティング部長は「とくに普及タイプと、その上の中級タイプを統合したのが大きかった」と話す。
この記事は有料会員限定です
残り 1844文字

