どちらも、ご本人の実感に基づいているのでしょう。最初の方の「今は全てを自分の責任で行わなければならない」という言葉に、過剰に「自己責任」が求められる時代の空気が読み取れます。
運命は変えられるか
スピリチュアル系の人はよく、「運命は変えられる」といいます。
僕もそのことに異議を唱えるつもりはありません。占星術的にいうと、生まれたときのホロスコープが運命だとすると、その後、どのような人生を送るか、どのように生きるかは、自分自身の考え方や行動によって変えることが可能だからです。
だからといって、いいことだけを引き寄せるというのは、どう考えても無理があります。そういう主張を前にすると、僕はつい、「そんなこと、無理でしょ」と、気持ちが引いてしまいます。
スピリチュアル的なものが歓迎される潮流のなか、占いの分野でも、「引き寄せの法則」を取り入れた展開が増えていきました。また、量子力学と占いを結びつけて考える人が出てきました。なかには「量子力学的タロット」を提唱している人もいるようで、こうなるともう、僕の理解を超えてしまいます。
かくいう僕も、ときには編集者から勧められて「引き寄せ」という言葉を使ったりもしました。時代の要請に従ったといえばそれまでですが、そういう流れを無視できない自分の“軟弱さ”がちょっと残念な気もしています。
ただし僕の場合、「引き寄せ」=ポジティブという解釈はしていませんし、そういう表現もしていないつもりです。なぜなら、人生、なんでもかんでも「願えば叶う」なんてことは、ありえないと考えているからです。
「願っても叶わないことがある」という現実原則は厳然としてあるはずですし、古今の偉大な思想はすべて、この不条理から出発しているといってもいいでしょう。
それを踏まえてなお、願わずにはいられないのが人間であり、そのなかで救われたり、夢を叶えたりすることもある。
占星術や僕の好きなユング心理学には「シャドウ=影」を大切にする面もあって、ただただポジティブになればいいというものではないと僕は考えています。



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