国民民主党の玉木雄一郎代表は「経済成長や投資をしっかりやるという方向性は一致する」と評価しつつも、減税の財源について「具体性が乏しい。国民や国内外のマーケットに向けて丁寧な説明を求めていく」と語った。
公明党の岡本三成代表も減税財源について、「心配に及ばないと言われると心配になる。根拠を示していない」と不満を表明。立憲民主党の水岡俊一代表は「説明する気がまったくないどころか、『国民に黙って従え』とバカにしている」と厳しい言葉で非難した。
さらに、参政党の神谷宗幣代表は「減税のマイナス面に対する手当てが感じ取れない」、民主改革の会の小川淳也代表は「インフレ下での減税政策にどれほどの効果があるのか議論する必要がある」などと、そろって高市首相の演説への不信感を示した。
その一方で、自民党の鈴木俊一幹事長は「成長の好循環を実現するという首相の信念を感じる力強いものだった」と評価。日本維新の会の藤田文武共同代表は「日本経済をもう一度、上向けていくという決意を感じた」と歓迎した。
国会論戦だけじゃない眼前の難題
高市首相は演説に先立ち、在沖縄米兵が強盗殺人容疑で逮捕された事件に言及し、「このような凶悪な事件の発生は極めて遺憾」として、アメリカ側に抗議するとともに「捜査への全面的な協力、米軍関係者の綱紀粛正と事件の再発防止の徹底を強く求めた」と述べ、政府として事件への対応に万全を期す考えを示した。
ただ、高市首相は事件発覚後、自らのXに同趣旨の投稿をしたことについて、一部有識者から「本来、直ちに記者会見すべき事件だ」と指摘されている。野党からは「アメリカに忖度(そんたく)した“後づけ”の対応」(共産党幹部)との批判も出た。
衆参本会議での今回の演説に対する議場の反応については、「概して議場は静かで、野党のヤジも与党の拍手や歓声も控えめだった」という声が多い。その背景には「臨時国会の今後の展開が不透明で、最初から丁々発止の議論はしにくい雰囲気」(政治ジャーナリスト)があったとみられる。
そもそも、「本来は消費税減税で“がっぷり四つ”の論戦とすべきだが、まずは『簗問題』をどう始末するかが課題」(国民民主党幹部)となっている。簗農水相は5日、記者団に「高市首相から『しっかり任務を全うしろ』と言われた」と辞任を否定したが、自民党内には「重要法案の審議の障害になれば、自発的な辞任が必要」(国対幹部)との声が少なくない。
こうしてみると、「高市演説の強気とは裏腹に、今後の国会運営はまさに地雷原だらけ」(同)というのが実態。念願の自民党総裁再選に向けて、高市首相がどれだけしたたかに立ち回れるかが問われることになりそうだ。


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