「実は私たちは、EVにおいて、長い経験をもっています。最初は(11年のPHEVである)ラ・フェラーリ、そのあと(世界耐久選手権で好成績を収めたハイパーカーの)499Pや、量産車ではSF90ストラダーレをはじめ多くを手がけてますから、電動車の経験値は豊富なのです。それを生かして、従来なかったEVを市販することができますから」
もうひとつ、私たちが心にとどめていることがあります、とカランド氏は続ける。
「フェラーリはスマートフォンとは違います。3年で簡単に買い替えるような浅薄なものではない。価値が永遠に続くようなプロダクト、それが私たちのEVなのだということです」
2つのパーツからなるユニークな構造
興味深いことにカランド氏は、いままで私たちが見たことのなかったビデオを紹介してくれた。そこで大きく印象に残ったのは、ルーチェの構造だ。
「ルーチェのボディは大きくいって2つのパーツで構成されています。私たちは便宜的に“ブラックパート”と“シェル”と呼び分けています」
ブラックパートは人が乗るキャビンを含めたインナーボディで、シェルは外皮。アルミニウム製のシェルは今回、賛否両論を巻き起こした「ラブフロム」によるなめらかな曲面をもった“外皮”である。
「私たちのアイデアは、ブラックパートはパワートレインを含めて走りを受け持ち、シェルはそこにかぶせるようなイメージで、空気の流れをコントロールします」
一見シンプルすぎるように見えるシェルは、空力を徹底的に突き詰めた形状であり、かつ、ブラックパートと“合体”しやすい設計なのだ。
「ルーチェのプロジェクトがスタートしたときから、デザインは外部に協力してもらおうと決めていました。新しいフェラーリが欲しかったからです。ラブフロムは、フェラーリの本質を理解してくれ、いい仕事をしてくれたと感謝しています」


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