そこで思い出したのは、ビーニャCEOが強く言っていた、「市場が“待っている”モデルを作っては、しょせん二番煎じ」という言葉だ。
「私たちは、78年前にクルマづくりを始めたときから、常に心にとどめていることがあります。それは、市場に存在していなかったモデルを作る、ということです」
フェラーリの量産車を見ると、いまは「849テスタロッサ」シリーズのV8プラグインハイブリッドに加え、「296」シリーズのV6プラグインハイブリッドと並ぶ。
同時に、12気筒エンジン搭載の「12チリンドリ」と「プロサングエ」も、人気が高い。ノンハイブリッドの8気筒搭載「アマルフィ」もある。
フェラーリならではの独自性とは?
ラインナップをすべてグリーン化(EV化)するなどとは言わない、とビーニャCEOは、今回の発表会でも強調していた。
「ルーチェは、顧客に提供する“新しい価値”で、あくまでもラインナップの追加。Different Ferrari For Different Ferraristaという製品ポリシーの一環として、新たにつけ加えられた、従来なかったモデルと捉えていただきたい」
「12気筒エンジンの、回転が上がっていくときのぞくぞくするフィーリングは、他をもって代えがたいものがあります。一方、緻密な制御ができる、大トルクのモーターを持つルーチェでは、従来にないドライバビリティを味わえるでしょう」
開発をスタートさせたときから、フェラーリのEVとして、従来なかったどんな魅力が提供できるか、それを考え続けたとカランド氏。
「ほかのEVにないフェラーリならではの独自性とはなんだろうか。そう考えると、ボディ、ハート、それにソウルではないでしょうか」
ちょっと抽象的な表現ではあるけれど、「単に数値を見て、いいクルマが作れるものではない」という意見に、私はおおいに賛成だ。


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