もちろん、 似たような感じ方、考え方の同級生もいたかもしれない。周囲と心を通わせることができたら、 違っていた可能性もある。しかし、はるこさんは心を閉ざしていた。 幼少期から「通じない経験」を積み重ねてきたことで、他者に期待しても傷つくだけだ、と思っていたのだ。
心身の不調が強く、外に出られずひきこもる時期もあった。当時のことをはるこさんは次のように語る。
「心が疲れちゃっていました。特別なことがあったわけではなくて、何かが枯渇してしまっていた、という感じでしたね。理由も分からなくて、頭の中ではずっと自分を責めたりしていました」
本当は「周りと同じことがしたい」と悩んでいたのに、伝わらなかった
幼少期から家庭で受けた強いストレスや、同世代の中での孤立感は、はるこさんに大きなダメージを与えていた。しかし、その困り感は周囲に伝わりにくかったようだ。
「苦しんでいた時ですら、周囲からは『自ら個性的に振る舞っている』『考えがあってそうしている』と思われていました。本当は『周りと同じことがしたい』と悩んでいたのに」
しっかりしている、ユニークな子ども。高い知能や堂々とした振る舞いから、はるこさんはそう見られ続けてきた。「なんで普通の人と同じようにできないのだろう」と悩む日々。それでも、「助けが必要である」と認識してくれる人は誰もいなかったのだ。
後編では、社会に出てからのはるこさんの人生をお伝えする。


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