これでは地域の共同体そのものが小さくなり、地域包括支援センターの存在意義さえも失われかねません。高齢化していく日本社会において、施設ケアは重要な社会資源の一つであることに変わりはありませんが、本来の理念を取り戻すためには、施設ケアの拡大にある程度歯止めをかけ、地域全体で高齢者を支える力をもう一度育て直す必要があると、私は強く感じています。
「年を取ったときにどうするか」を今のうち考える
このまま何の改革もなされずに時間が過ぎていけば、就労者1人が非就労者1人を支えるようになることが見込まれる2040年には、病院も介護施設も2割から3割は淘汰される可能性があると私は見ています。
この記事を読んでくださっている40代、50代、60代の皆さんに、私から一つお伝えしたいことがあります。それは、「自分が年を取ったときにどうするか」を、今のうちから考えておいてほしいということです。
多くの方が、自分の親のことすら十分に考えられていません。ましてや、自分自身の老後については、なおさら手つかずのはずです。
年金だけで暮らせる時代は、もう終わりに近づいています。物価が上がり続けるなかで、今の年金額を将来もそのままあてにすることはできません。国が投資や貯蓄を勧めるのも、裏を返せば、年金だけでは老後の生活に足りないと国自身が認めているようなものです。
介護施設選びについても、簡単な正解はありません。医療法人が運営する施設には、医療と介護が一体化している安心感があります。一方で、医療に強いことと、高齢者介護に強いことは必ずしも同じではありません。
介護を専門とする法人には介護のノウハウという強みがありますが、一方で、経営基盤については見極める必要があります。法人の種類だけで判断するのではなく、実際にどのようなケアを提供しているのか、経営は安定しているのかを確認することが大切です。
そして、国や自治体が行う高齢者介護の制度のあり方に疑問を感じたら、住民として、有権者として声を上げることも必要です。国を大きく動かすことは難しくても、まずはお住まいの市町村が何をしているか、議会が何を議論しているかに、目を向けてみてください。
国政の動きだけでなく、せめて自分の暮らす町のことだけでも知っておく。それが、私たち一人ひとりにできる、未来への小さな備えだと思っています。



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