と書いてありますが――結局ね、六、七人の女の子が駆り集められて、一人だけ本物の女優が来て、『杜(もり)のお姫さま』という写真を撮るの。野外劇と言って、お伽噺(とぎばなし)の場面を子供雑誌の口絵にのせるためなんですよ。
わたしたちは家来の蝶々の役
本物の女優が、梅村蓉子。この人は大変な人気女優だった。綺麗な洋服を着た梅村蓉子がお姫様役、わたしたちは家来の蝶々の役なの。
蚊張(かや)みたいな、薄く透ける白いスカートなのよ、家来の衣裳は。
このチクリ、が可笑(おか)しいでしょう。
その日は八十銭を貰って帰ってきたけど、次の日曜日にはもう行かずじまい。だから女優にはなり損っちゃいました。
わたしが女優になっていたら、さぁ、どうだったでしょうねぇ。偉い人になれたかしら。


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