生態系の性質は、機械とはまったく違います。
信頼は積み上げるのに何年もかかるのに、壊れるのは一瞬です。
組織の文化は、設計して据え付けることができません。育つのを待つしかない。
何かに手を入れると、思わぬ場所から思わぬ形で返ってくる。しかも時間差をともなって。
これは、まさに土の性質です。「組織風土」という言葉に「土」という漢字が使われているのは、おそらく偶然ではないのでしょう。
つまり自然の論理は、遠い北海道にだけあるものではありません。
僕らのオフィスの床下に、最初からあったのです。
ただ、機械の比喩で覆っていたから見えなかっただけです。
そう考えると、日々の光景が少し違って見えてきます。
無理な受注で顧客の信頼を削る。数字のために人を追い込んで、職場の空気を薄くする。目の前の処理に追われて、自分が何も学んでいない時間を積み上げていく。
どれも、その期の数字は悪くなりません。むしろ良く見えることさえある。
畑で短期的に収益を上げる手が、土を痛めていたのと、まったく同じ構造です。
だからこそ、あの4つのマインドセットは、一次産業の方々だけに必要な特殊技能ではありません。都会で働く僕らにこそ必要な構えなのです。
ビジネスシーンでこそ「自然の論理」は活躍する
最後に、冒頭の問いに戻ります。成長とは、何を、いつまでに、なのか。
僕はこう考えています。
「何を」の答えは、数字だけではありません。たとえばこの4つのマインドセットが、少しずつ自分に染み込んでいくこと。それも立派な成長です。
そして「いつまでに」については、期限などありません。4つのマインドセットはどれも抽象的なものであり、限界がないからです。裏を返せば、僕らはいつまでも成長できる、ということです。
目に見える数字はいつか伸びなくなります。日本で事業をしていれば、遅かれ早かれそうなるでしょう。
その時、「成長が止まった」と騒ぐ必要はありません。土のような不可解な世界を読み解く力が育っていくことに、限界はないのです。


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