記者会見での首相本人の表情に言及する声も複数見られた。
《高市の内閣改造の会見を見てるんだが何でここで笑うのか違和感が有る 笑顔じゃなく真剣な顔でしゃべれ!》という投稿は、“内閣改造”という重い場面にふさわしい表情のタイミングをめぐる、視覚的な期待とのズレを指摘したものと読める。
閣僚名簿という “情報”だけでなく、記者会見という “映像”そのものが、視聴者の瞬時の判断材料になっていることがうかがえる。
閣僚それぞれの経歴や政策をすべて吟味する人は少ない
閣僚たちの記念撮影は、初閣議の後、官邸の階段に並んで行われるのが恒例となっている。この1枚の写真が、多くの国民にとって新内閣の第一印象を決める、ほぼ唯一の機会だ。閣僚それぞれの経歴や政策をすべて吟味する人は少なく、大多数はこの集合写真とニュースの見出しだけで、新内閣への直感的な評価を済ませてしまう。
だからこそ、閣僚人事を担う側にとって、単に「何人を入れ替えたか」だけでなく、「どのポストの、どれだけ見慣れた顔を入れ替えるか」が、実質以上に重要な意味を持つ。
今回の“骨格維持”という選択が、政策的な安定感を狙ったものだとしても、結果として「変わっていない」という印象を招いた面があるとすれば、それは実質と見た目の設計の間に、意図せざるズレが生じた例だと言えるだろう。
人事の中身と、そこから伝わる“見た目の印象”は、別のロジックで動いている。政治に限らず、組織の刷新を印象づけたいのであれば、何人を入れ替えたかという数字以上に、どの“顔”を残し、どの“顔”を変えるかという設計こそが、見る側の受け止め方を左右する。
【参考・引用文献】
※1:Anderson, N. H. (1965) Averaging versus adding as a stimulus-combination rule in impression formation, Journal of Experimental Psychology, 70(4), 394-400.
※2:Ballew, C. C. & A. Todorov (2007) Predicting political elections from rapid and unreflective face judgments, Proceedings of the National Academy of Sciences, 104(46), 17948-17953.
※3:Haberman, J. & D. Whitney (2009) Seeing the mean: Ensemble coding for sets of faces, Journal of Experimental Psychology: Human Perception and Performance, 35(3), 718-734.


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