行動経済学者のピーター・マグロウは『「ソロ」という選択 自分だけの特別な人生を築く』(江口泰子訳/青土社)でソロとシングルを区別し、シングルを「いまは独り身だが、いずれ結婚して家族をもちたいと思っている」こと、ソロを「家族や恋人のような濃密な人間関係は自己実現を妨げるとして、自覚的に独身を選択する」ことと定義しています。
「自分らしさ」と「絆」の狭間で
このままリベラル化が進み、「自分らしく生きる」を最大化しようとするならば、必然的にソロ化が進み、人間関係は固定的なものから、流動的なアドホックなものに変わっていくのではないかと思います。世界中を旅しながら、リモートワークで収入を得て、その場かぎりの人間関係を楽しむノマドライフはその典型でしょう。
これに対して「(伝統的な)共同体の復活」を説くポスト・リベラルもいますが、とてつもなくゆたかで平和な社会では、共同体がかつてのような魅力をもつことはないと思います。しかしそれでも、わたしたちは他者とのつながりや絆から幸福感を得るしかないとすると、これからの社会はどうなっていくのでしょうか。ぜひソさんのご意見を聞いてみたいと思います。
ソ・ウングクより 橘玲さまへ
逆説的ではありますが、豊かさと科学の発展によって、人間はより孤立する可能性が生じました。
ホモ・サピエンスが他者を通じて幸福感を得る理由は、実のところ利己的な必要性によるものでした。他者を通じて生存の必需品(食糧と保護)を調達していたからですが、現代文明は1人で自足できる環境をつくり出しました。


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