極端にいえば、お金さえあれば友人がいなくても問題ないという考えを助長し、他者への関心を減らしかねない状況を生んでいると見ています。
人生でもっとも大切な「ゆるいつながり」
しかし、幸福の観点から見れば、これは近視眼的な罠のような思考だといえます。幸福感をつくり出す私たちの脳は、今なお洞窟生活の原理で動いているからです。
表層的な変化の底にある、人間本来の生の原理は大きく変わっていません。現在においても、もっとも科学が発展した国(たとえばアメリカ)の成人人口における死亡要因の第1位は社会的孤立です(1人で暮らすと病気に対してより脆弱になり、回復も難しくなります)。
人にとってもっとも必要なのは「人」であり、この刺激こそが今も幸福のランプを点灯させます。日本や韓国のような極めて家族中心的な文化が抱える社会的弱点の1つは、狭い人間関係(家族、親族、ごく少数の友人)の外側にいる人々と、新たに信頼関係を築き維持していくことを難しく感じる点にあります。
しかし、こうした「ゆるいつながり(weak ties)」が幸福にとって決定的に重要であることを、近年の多くの論文が示しています。
1人で生きることには長所も短所もあります。しかし、たとえシングルライフを選択したとしても、絶え間なく社会的な交流を維持し続けること。その方法は人や状況によって異なりますが、決して欠かすことはできません。


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