そんな私でも、この本を読みながら何度も「これはそうだ」と膝を打つところがありました。金融の知識がなくても、「どこにお金をかけるか」「いつ見切りをつけるか」という点では、実は「投資」と「子育て」には深く通じるところがあるのかもしれません。
落とし穴1:続けた習い事に執着してしまう
お母さん方からよく受ける相談のひとつが、「習い事と受験の両立」です。
たとえばバレエ。トウシューズはすぐには履かせてもらえず、何年か続けて、小学校3、4年でようやく履けるようになります。ところが、ちょうどそのころに中学受験の勉強が始まって忙しくなる。サッカーや野球も同じです。小さいころからお金をかけて送り迎えもして、ようやくレギュラーになったころに、受験勉強と重なってしまう。
それで、みなさん「やめられないんです」とおっしゃる。今までかかったお金と時間を捨てるのか、という気持ちになってしまうんですね。
本書の中には、「サンクコスト(埋没費用)」に関連した話題が紹介されます。人間は、これまで費やした時間や努力、お金など、すでに支払っていて回収できない費用に執着しすぎることがある、と。習い事がやめられない心理は、まさにこの通りだと思いました。
私は、人生は一直線では生きられないと思っているんです。だから、子どもたちにも、「プランA、プランB、プランCくらいは考えておかないとダメだよ」と言ってきました。
Aをがんばっていても、何か違うと思ったら、臨機応変にBにする。Bも違えばCに行けばいいし、「やっぱりAだった」と思えば戻ればいい。一度やったことが無駄になるわけではありません。かけたお金にとらわれて、迷い続ける時間のほうがよほどもったいない。一つの方法や方向に執着するのが一番やってはいけないことなのです。
我が家では、お稽古事をどこまで続けるかにも明確に区切りをつけていました。水泳は4種目メドレーでバタフライができるようになるまで。公文は中学3年の課程を終えたところで「もういいかな」と。バイオリンも、1曲のお稽古に毎日2時間かかるようになった時点で、受験を優先してやめました。


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