球場は家族連れや子どもが多く訪れる場所であり、夜の街を連想させるキャバ嬢の起用や、高級シャンパンというアルコール商材を前面に出したプロモーションは、ファミリー層への配慮不足の観点から問題視されていた。
また、ユニフォームの着こなしへの反発もあった。 PR活動の中で、出演者らが球団のユニフォームを過度にアレンジして着用していたことに対し、伝統ある球団や野球への敬意を欠いているとして往年のファンから強い反感を買っていたからだ。
夜職界隈が公共圏に入り込むことへの拒絶反応
ここ最近、ネット上で、キャバ嬢やホストといった「夜職」の公開オーディション番組が大きな話題になる一方で、公的な場への露出が増えていることに対する拒絶反応が広がっている。それが今回、スポーツ空間へと展開するに及んで一気に噴出した格好といえる。
この騒動から読み取れるのは、「公共圏(家族・伝統的スポーツの営み)」に入り込もうとした「カジュアル化・インフルエンサー化した夜職界隈」と、それにアレルギー反応を起こした「世間的秩序」との衝突が露呈した象徴的な出来事であることだ。
そして、その根幹には、夜職そのものに対する捉え方の断絶がある。「推し活」という消費スタイルや、SNSを通じた親密性の形成などによってポップカルチャー化した世界として捉える若者たちと、「社会悪」というややステレオタイプな構造的搾取に焦点化された世界として捉える大人たちの断絶だ。
まず、プロ野球の球場は、昭和から続く「子どもたちの夢」や「家族の健全な娯楽」という公共性の高い聖域として社会的に認識されている。そこに高級シャンパンや元キャバ嬢という「夜の街の記号」が持ち込まれたことで、世間の側では「子どもに見せられない」「球場の健全性を脅かす」という倫理的なバリアーが即座に作動した。


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