止まらない視聴者の深読みに対し、当の出演者がそれをあわてて打ち消す。だがそれでも疑うことは可能なので、視聴者はさらに考察の深みにはまっていく。『悪役会議室』の3人も、視聴者の説に納得してそちらの側に立ったりする。考察することそのものが快楽になっているので、際限がない。
考察と言うとハードルが高いイメージもあるが、誰でも気軽に参加してよい感じなのも『悪役会議室』の魅力だろう。宇佐美部長役の市川猿弥がゲストだった第5回は、まさにそんな感じだった。
宇佐美は商社員としての乃木の上司。今のところ、悪役という感じではない。それもあってか市川は終始気楽な雰囲気。阿部寛が演じる野崎が謎の組織・シンシーから受け取った報酬額についてのリスナーの考察が読まれると、小学生が言いそうなダジャレで自らの考察を披露。また宇佐美の正体についてのリスナーの考察には、あまり根拠もなくそれを認めてしまうような返事をして3人を慌てさせていた。
「正解」だけにこだわらない考察ゲームの楽しさ
このように、『悪役会議室』では、視聴者と出演者(制作側)のあいだで考察ゲームというかたちでの一種の共犯関係が生まれている。
互いに考察を披露するだけでなく、毎回答え合わせをしてともに盛り上がる。そして必ず次回に向けて新たな謎が宿題となるので、ネタは尽きない。出演者と視聴者が対等な立場でつながるという意味では、SNSのコミュニケーションに近い。
面白いのは、こうした『悪役会議室』の内容をネット記事なども事細かに伝えるようになっていることだ。ゲーム化した考察合戦それ自体が、ひとつのエンタメとして認められ始めた証しだろう。
基本的にはプロモーションの一環ではあるだろうが、『悪役会議室』の3人は考察ゲームに積極的に乗っかり、純粋に楽しんでいるのが伝わってくる。その熱量に引き込まれるように、リスナーも考察ゲームに没入することができる。


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