一方、化粧品などを使ってAIによる見かけ年齢判定で若く出るようになったら、ある意味で抗老化できたといえるかもしれない。
もう少し考えると、お肌が老化に抗えたとしても、その奥底で動脈硬化や認知機能低下が進んでしまっていたら、十分な抗老化とは言えまい。
「老化予防」の効果の証明は難しい
老化予防となると、いっそう難しい。もともと老化には個人差が小さくないから、何歳になったらどれくらい進むかという判定が困難だ。
なんらかの薬剤が抗老化に効くことを証明するとなると、集団を二群にわけてのランダム化比較試験が必要になるが、病気ではないので、そこまでした研究成果はほとんどない。
はて、どう締めようかと思っていたところ、ネイチャーメディシン誌に「Anti-aging interventions need less hype and more clinical evidence(抗老化介入には誇大宣伝よりも臨床的証拠がもっと必要だ)」という格好の論説が発表された。我が意を得たり、である。
そこには、「老化研究の分野は、根拠のない、あるいは誇張された主張に対して警戒を怠ってはならない。そして、生物学的老化を測定する指標の妥当性を確立するとともに、抗老化治療を厳密に検証していく必要がある。(ChatGPT訳)」とされている。
そもそも、何を老化の指標にするかが難しいのである。メチル化時計はその候補ではあるけれど、原理がわからないのだから、メチル化時計年齢が若返ったとしても、本当に若返ったといえるかどうかは判定のしようがない。
ただ、「老化時計」の研究は急速に進んでいるので、次回はそれについても紹介してみたい。


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