「『スタピタ』は一般車ですでに搭載されていた機能でしたが、子乗せ自転車用にパーツを調整するのが、非常に難しかったのを覚えています」
そう語るのは、当時車体の部品設計を担当していた、技術部 要素部品設計課の三好武博さんだ。こうした改良はいずれも小さな変化だ。しかし、「使っている人にしか分からない困りごと」が解消された製品が、ユーザーの心を捉えたのは想像に難くない。
一方で、「技術的に不可能ではないが、安全性を十分に担保できない」と判断され、実現できなかったアイデアもある。こうした子どもの安全を第一とする判断基準は、以後の進化においても一貫していくこととなる。
8年間、他社が真似できない「鍵」の秘密
さて、開発段階では見送られたアイデアのなかで、プロジェクトメンバーが切望していたのが「鍵」の改良だ。子どもの送り迎えやお出かけの際、親は子どもと手をつなぎ、もう一方の手にはたくさんの荷物を抱えていることが少なくない。両手がふさがっているなか、自転車の鍵を探し出す作業は、ちょっとしたストレスだった。そこで、当時すでに普及していた車の電子錠と同じ仕組みを導入し、負担を減らしたいと考えていた。
その構想が実現したのは、2017年のことだ。パナソニック創業100周年を記念して、「ギュット・アニーズ・KE」に業界初の電子錠「ラクイック」を搭載。電子キーをバッグに入れたまま、手元の電源ボタンを押すだけで解錠できるようになった。


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